月: 2017年3月

車検ってなぜ受ける?

文明の利器を利用して私たちは便利な生活を送っています。
当然、便利なことの代償に安全性や危険性に関してはそれ相応の注意を払わなければなりません。
私たちが普段当たり前のように使っている自動車は、便利な反面非常に危ない物です。
考えてみれば鉄の塊が100キロ以上の速度で走行することが可能ですから、とても危険と言うことがよくわかります。

安全のために

そのためどこの国でも「車検」という制度が用意されています。
日本では「道路運送車両法」という法律によって車検を受けることが義務づけられています。
車検切れを起こした自動車は公道を走行すると、道路交通法によって罰せられます。
しかしなぜ車検をわざわざ受けなければならないのでしょう。
そこには先ほどの自動車の危険性が絡んできます。
自動車は鉄の塊をものすごいスピードで動かすため至る所にガタが出てきます。
ねじが緩むとか、ブレーキがどんどんすり減ってくるなど様々です。
仮に半分壊れかけの状態で自動車を走らせたとしたら、乗っている人も危険ですしその自動車の周辺の人も危険にさらされます。
そこで必要最低限の保安基準と呼ばれる、自動車として安全に走ることが可能であるというお墨付きをもらうために車検という制度が用意されています。
何となく2年に1回は受けなければならないやっかいなイベントと思われがちですが、生命の安全や快適な生活を送るためには欠かせない制度だったのですね。
車検切れを起こす前にきちんと受けましょう。

検査を受けたい!いつまでかな

法律で定められた期限は絶対に守らなければならない最低ラインです。
ついつい「まあいいか」と思って期限を守らないと言うことがありますが、絶対にやめましょう。
特に「車検」は一回受けると次までの期限が長く空くため「仕事が忙しい」とか「費用が高い」と理由をつけて、車検切れを起こす寸前まで受けないという方もいらっしゃいます。

どうして車検を受けないといけないの?

そもそも車検はどれぐらいの頻度で受けなければならないのでしょう。
日本は世界の中でもトップレベルの車検制度を法律で義務づけており、一般乗用車から貨物車、旅客用の乗用車まで様々な制度を用意しているのです。
私たちが車検を受けることの多い乗用車の場合は、割と長いスパンで受けることになっています。
軽自動車と普通乗用自動車は新車で購入した後は3年目に1回目の検査を受け、その後は2年に1度受けていくことになります。
一方旅客用や貨物用の自動車の場合、使用目的や大きさによって変わりますが1年に1回とかかなり短いスパンで受けなければならないことがあります。
車検は車検切れを起こす前に受けないと、継続して乗り続けることが出来ませんし仮に車検切れを起こしたとなればそれ相応の手段を使って車検を受けなければなりません。
普通の車検よりも高い費用が請求されることもあり、はっきり言って車検を受けないことはオススメできません。
仮にしばらくの間乗らないからと思っていても、きちんと車検が切れる前に車検を受けておきましょう。

安い車検と高い車検の大きな違い

サービスは値段に現れると言われます。
例えば特急電車を考えてみましょう。
特急電車には、自由席と指定席、そしてグリーン席が連結されています。
自由席は特急料金が一番安い代わりに座席も簡素な作りで、席がいっぱいなら座ることも出来ません。
一方指定席は多少座席もよくなったりきちんと座席に座ることが出来たりと様々なサービスを受けられます。
そしてグリーン席は豪華な座席で、ゆったりとした時間を過ごすことが可能です。

どうして安い?

定期的に受けなければならない車検も安い車検と高い車検があります。
車検切れを起こす前に受けなければなりませんが「そもそも安いところと高いところは何が違うの?」と思われることもあるでしょう。
先ほどの特急列車の例を挙げると、安くても高くても到着する場所は同じで時間も同じです。
車検は公道を走るために最低限確保されなければならない水準を維持しているかどうかをチェックするため、どの会社で受けたとしても代わりありません。
これにばらつきがあってしまっては怖くて外も出歩けません。
安いところと高いところの違いは部品の交換点数にあります。
車検は保安基準を満たすだけの検査しかしないため、安いところではそれを通すための部品しか交換しません。
一方高い車検の場合は車検以外に必要なところも見て、必要があれば部品を新しい物に交換してくれます。
お金や時間に余裕がある場合には念のため高い車検を受け、良質な車の状態を維持しておきましょう。

ユーザー車検は何で安いの?

自分で出来ることは自分でやりなさいと子供の頃、学校の先生や親御さんに言われた経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
大人になるとだんだん自分では出来ないことも多くなってくるため、専門家に依頼すると言うことが多くなります。
大人になれば何でも自分で出来るようになるという子供の頃の大人のイメージは、案外あっけなく崩れてしまうものです。
しかし中には自分で出来ることもたくさんあります。

その中の一つに「車検」があります

車検切れを起こしそうだと言うときでも、業者に依頼せずとも自分で行うことが出来るのです。
いわゆる「ユーザー車検」というものです。
これは自宅で行うのではなく「運輸支局」というところで行います。
ナンバープレートに「神奈川」とか「相模」と地名が書いてありますが、その地名に書かれているのが管轄の運輸支局を示します。
また軽自動車の場合には「全国軽自動車検査協会」というところで行います。
必ず住んでいる地域に1つはありますからそこに車と一緒に出かけていきます。
そこでは税金と印紙代と自賠責を支払い、専用の書類に記入したら自分で検査官の指示通りに検査を行っていきます。
当然自動車を自分で分解しなければなりませんし、仮に「ここは保安基準を満たしていないためやり直しです」となれば工場で直してもらう必要があります。
ユーザー車検はあらかじめどのようなことを行うかをきちんと知識として、身につけた上で出かけることをオススメします。

どこでもいいの?車検を受けられるところは決まっている

車検は好き勝手に行うことは出来ません。
もしも「誰でも好きなように車検を行って、それを国に報告してくれればよいから」という制度になったら一大事です。

車検をやる意味とは

世の中には適当に車検を行って、車検切れを起こしている車はないけれど車検の意味が無くなっている車があふれてしまいます。
そこで日本では車検にはきちんと法律で縛りをかけています。
特に自動車は専門の資格がなければ、分解することも禁じられている部品が多々あります。
自動車をいじることが好きという方も多くいらっしゃいますが、自分でいじることが出来るのはせいぜい内装や外装ぐらいです。
エンジンやブレーキ、ギアなどは素人が見たってどこがどのような部品でどうなっているかなどわかりません。
ブレーキパッドは無資格者が触ってはいけない部品の代表例です。
これは運輸支局の検査官か、国から認証を受けた「整備工場」で無ければ触ることが出来ません。
ブレーキパッドは自動車の命であるブレーキを司る部分ですから、専門の人にお願いしなければ大変なことになってしまいます。
国の認証を受けた工場は「指定整備工場」と呼ばれ、工場の壁や看板に「当社は指定整備工場」などと書かれています。
ここに行けば、車検をお願いすることが出来ます。
わざわざ運輸支局まで行かなくてもよいため大変便利です。
しかし整備工場の中には、怪しいところもあります。
中にはとうの昔に指定を取り消されているにもかかわらず営業を続けているという例もあります。
きちんと確認することが大切です。